初心者でも簡単に始められる写真副業術 – ストックフォト

初心者の写真副業術

今を楽しむマルチクリエイター川村が実践しているストックフォト

 この記事は、今を楽しむマルチクリエイター川村が写真販売を通じて収入を得る仕組みを作ろうと奮闘している「ストックフォト」についてのお話です。私は以下、3つのサイトで商用利用可能な写真を販売しています。

 正直、誰でも気軽に販売できるので、そう簡単に大量に売れることはありません。ですが、写真を掲載して販売するのは【タダ】でできます。写真好きな方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。次の項目からは、ストックフォトがどういったものなのか、そして実際に川村が得ている収益はどれくらいなのか、初心者の方にも分かりやすいように基本のところからお伝えしていきますので、ご興味ある方は是非ご覧ください🤗

just-try-it

ストックフォトの仕組みと魅力

ストックフォトとは?

 そもそもストックフォトとは、主にWebサイトやチラシなどの商用目的で使用される写真素材のことを指します。例えば、経済新聞会社が自社の記事にウォール街のイメージ画像を使いたいとします(KTK Creatives Stockphotoの素材を利用してくださった東洋経済オンラインさんの記事)。

ウォール街
ウォール街で撮影した写真:KTK Creatives Stockphoto提供

 こういう時に、わざわざ担当者が現地まで足を運んで撮影するということはあまり聞かないですよね。そういう時に利用する写真がストックフォトの写真素材。これらは、一般的にストックフォト提供サービスで販売されており、クリエイターがアップロードした写真を購入者がダウンロードすることで利用できます。ストックフォト副業では、自分が撮影した写真をこれらのサイトに提供し、それがダウンロードされるたびに報酬を受け取れるという仕組みになっています。提供した写真は何でも販売に回るわけではなく、ストックフォトサービスの審査が入り、合格すると販売開始となります。

ストックフォトの流れ
左:写真を提供するクリエイター 右:写真を使いたい人

メリットとデメリット

メリット

 ストックフォトを利用した副業にはいくつかのメリットがあります。まず、好きな時間に進められるという柔軟さ。次に、写真撮影が趣味の方にとっては、自分の趣味を活かしながら収入を得られるという点も魅力です。さらに、一度販売用にアップロードした写真は長期間にわたって収益を生む可能性があり、不労所得作りを目指すことができます。これが最大のメリットではないでしょうか。

デメリット

 一方でデメリットも存在します。撮影や編集に一定のスキルが求められ、競争が激しい中で自分の写真を購入してもらうにはマーケティングや戦略的な思考を要します。また、すぐに高収益を得るのは難しいことがほとんどなため、根気よく続ける覚悟が必要です。のちに記載しますが、最初の頃は時給100円にも満たないでしょう。川村も始めて一年たった時の月収が4,000~5,000円くらいにしかなりませんでした。

ストックフォトのメリットとデメリット
ストックフォトのメリット(左)とデメリット(右)

不労所得を実現する仕組み

 ストックフォト副業で不労所得を目指す仕組みはシンプル。自分が撮影した写真をストックフォトサイトに登録し、それが購入またはダウンロードされるたびに報酬が発生します。報酬は「ロイヤリティ」として支払われ、一度登録した写真が数か月、あるいは数年後に再び売れることもよくあります。1年に1回ダウンロードされるような素材が365枚あれば、ならして毎日売上が立つことになりますよね。そのため、初期の登録や撮影を頑張ることで、後々自分が直接働くことなく収益を生む仕組みができるわけです。

ストックフォトで実現する不労所得

初心者に向いている理由

 ストックフォト副業が初心者に向いている理由は、多くの人がすでにカメラ付きスマートフォンを持っており、特別な機材がなくても始められる点です。一部のストックフォトサービス(例えば、スナップマート)では、スマホで撮影した写真をメインで扱っていたりします。アプリで簡単に始められるので、安心して取り組みやすいのです。さらに、写真ACなんかはダウンロードする側が無料で使用できるので、初心者が掲載した写真でも比較的ダウンロードされやすかったりします。

基本準備

機材とアプリ

 ストックフォトを副業として始めるには、必ずしも高価なカメラや専門的な機材がいるというわけではありません。前述の通り、スナップマートなどスマホ写真をメインで扱っていたりするサイトもありますので。そして、最近のスマートフォンのカメラはかなり進化していて、一般の方が撮影してもそこそこのクオリティを出せます。特に最新のiPhoneやGalaxyシリーズでは、プロ顔負けの写真が撮れる機能が備わっていたりしますよね。

 また、撮影した写真を編集する(レタッチする)便利なレタッチアプリも揃えましょう。SnapseedやLightroom Mobileなどの無料アプリは、初心者でも扱いやすいです。これらのツールを使ってレタッチすれば、プロフェッショナルな仕上がりも目指せます。

レタッチ前後の違い
上:レタッチ前 下:明るさや色味を調整したレタッチ後

初期費用

 ストックフォト副業は、比較的低コストで始められます。なんなら、既にスマートフォンをお持ちであれば、撮影から投稿まで費用はゼロで、すぐに始めることが可能ですね。一眼レフやミラーレスカメラを使いたい場合は、10~20万円程度購入資金が必要になるでしょう。

 また、編集作業をスマートフォンの無料アプリで行う場合は追加費用不要ですが、PCで専用ソフトを使ってしっかりレタッチを行いたい場合は別途月額費用を考慮する必要がありますね。有名どころだと、Adobe製のLightroomやPhotoshopで、私も利用しています。月額1,500円から2,000円程度を見込んでおいた方がよいです。

 総じて、カメラ購入をしなければ、ストックフォトを始めるのに高額な初期費用は必要ないです。

具体的な方法

ストックフォトサイト比較

 ストックフォトを始める際には、自分に合ったストックフォトサイトを選ぶことが重要。初心者でも利用しやすいおすすめのサイトとして、ここでは4つご紹介します。国内で人気の「PIXTA」「写真AC」、さらに「Adobe Stock」や「Shutterstock」などの海外サイトです。

PIXTA

PIXTA

 PIXTAは日本最大級のストックフォトプラットフォームで、2025年1月時点での販売素材数は1億点を超えています。日本発祥の会社で、全て日本語対応のため、英語が苦手な方にいいですね。

特徴:

  • 日本最大級のストックフォトサービス
  • 日本人モデルや和風の素材が豊富
  • 比較的審査が緩い
  • 毎月アップロードできる枚数に制限があって初心者は稼ぎにくい

こんな人におすすめ:

  • 日本向けのストックフォトでやっていきたい人
  • 最初は売れなくてもめげない人

写真AC

写真AC

 写真AC(photo AC)は審査が緩めで初心者でも始めやすく、採用された写真がダウンロードされやすい特徴があります。

特徴:

  • ユーザーは無料で写真をダウンロードできる
  • 写真の審査は比較的緩い
  • 日本人モデルやシンプルな素材が多い
  • 初心者でもダウンロードされやすい
  • 投稿した写真の著作権は写真ACのものになってしまう

こんな人におすすめ:

  • まずは気軽にストックフォトを始めたい
  • なんでもいいので早く収益化してモチベーションを維持したい

Adobe Stock

Adobe Stock

 Adobe StockはPIXTAや写真ACより審査が厳しいですが、ある程度ストックされてくると安定してダウンロードされやすいです。また、グローバルに展開されているので、世界中の利用者向けに写真を販売できます。

特徴:

  • 他のAdobe製品、例えばPhotoshopやIllustratorと連携できる
  • 世界中のクリエイターの素材であふれている
  • 販売のための審査が厳しめ
  • AIにも力を入れていてAI素材も増えてきている

こんな人におすすめ:

  • AI作品も手掛けたい
  • 世界のクリエイター向けに作品を提供したい

Shutterstock

 ShutterstockもAdobe Stock同様に審査は厳しめですが、グローバルに展開できるので販路が広いです。こちらもやはり、世界中の利用者向けに写真を販売したい人におすすめです。

特徴:

  • 世界最大級のストックフォトサービス
  • 写真・イラスト・動画・音楽まで幅広く提供
  • 写真内に英語以外の言語が写っている場合は翻訳する必要がある
  • 他のストックフォトサイトと比べてロイヤリティがアップしやすい
  • 写真へのタグ付けやタイトルを全て英語で行う必要がある

こんな人におすすめ:

  • 海外市場で写真を販売したい
  • 英語に苦手意識がない方

登録から販売まで

 利用するストックフォトサイトが決まりましたら、アカウントを作成し、クリエイター登録を行います。購入する側ではなく、販売する側に登録します(Shutterstockでは、コントリビューターアカウントと呼ばれています)。登録完了後は、写真を提出して審査を受けます。私の場合、審査は早いと一週間以内ですが、長いと1ヵ月以上かかることもありますね。この審査を通過することで、販売を開始できます。

Adobe Stockの審査結果(不合格)
残念ながら不合格になった素材例

 提出する写真にはタイトルやキーワード、カテゴリーを設定します。これらの情報が購入者に写真を見つけてもらう重要なポイントとなるため、できるだけ具体的でわかりやすい情報を記載することを心掛けています。

 これらはすべてオンライン上で完結するため、場所や時間に縛られることなく副業として行うことが可能です。

タグ付けとキーワード選定のポイント

 上記の通り、写真をアップロードするだけでは販売できません。各写真には「タグ」と呼ばれるキーワードをつける必要があります。Instagramでハッシュタグをつける感覚です。ユーザーが検索した際に、このタグが引っかかり検索結果に自身の販売している写真が表示されるようになります。

Adobe Stockのタグ付け画面
◆ Adobe Stockのタイトルやタグ付け画面の例 ◆

 つまり、写真に適切なタグやキーワードを設定することが売上に直結します。ストックフォトサイトでの検索結果に写真が表示されるためには、購入者が検索しそうな単語をしっかりと考える必要があるというわけですね。

 例えば、風景写真をアップロードする場合は、「自然」「山」「観光」など一般的なキーワードのほか、「紅葉」「ケーブルカー」「登別」など具体的に使われそうなシーンを考えながらタグ付けをすると効果的です。また、トレンドに合ったキーワードを使用することもあります。流行語や季節に関連した言葉を活用することで、購入者の目に留まる確率が高まったりますね。

紅葉が美しい登別のケーブルカー
ケーブルカー、紅葉、登別 などとタグ付けをしていく

 タグ付けが面倒な人は、chatGPTに写真をアップして「ストックフォトに適したタグを〇〇個出力してください」とプロンプトを入力すれば、適切なタグが表示されます。これをストックフォトサイトにコピペすれば簡単な作業になります。ただ、イケてないタグを出してきたり、無料版chatGPTでは3枚/日しか写真をアップできないので、完全に頼るというよりはうまく「利用」する感じです。積極的に使うことで、効率化は図れるので試してみる価値はあります!

売れる写真ジャンル

 売れる写真を撮影するためには、購入者のニーズを理解することが不可欠。需要の高い写真ジャンルには、「ビジネスシーン」「日常生活」などありますが、総じて人物写真が人気です。特にビジネスシーンや働く人々の写真は、記事や広告素材として多くの需要があります。ただ、

容易に想像できる通りライバルも多いです。

開けた景色の前に立つ男女の後ろ姿
ハワイ島にて

 季節に応じたテーマを取り入れることも有効。例えば、春には花見や新生活、冬にはクリスマスや雪景色など、購入者の需要を先読みして準備することで、販売機会を逃さないようにしていきたいところです。

青空背景の桜の木
澄んだ青空と桜の木

 と、まぁ色々書きましたが初心者は「好きなジャンル」で進めていくことをおすすめします。ライバルは多いです。売上が立つまで時間がかかります。必然的に長期間続けることが大切になってきます。こうなるとモチベーションの維持が大切になります。好きでもない写真をアップし続けて結果がなかなか出ないよりも、好きな写真を扱っていた方がいいじゃないですか。私はそう思っています。

月収1万円を達成するコツ

在庫管理

 ストックフォトで月収1万円を達成するためには、とにかくたくさんの写真登録を行うこと。在庫を増やすことが重要です。副業として取り組む場合、限られた時間で最大限の成果を得るためには、テーマを絞って一度にたくさん撮影することがポイントです。例えば、色違いや角度違いで撮影することで、一度により多くの写真を得られます。同じシチュエーションの写真はタグ付けもラクです。こうした戦略的な投稿を継続して、収益増加を狙っていきます。

フォトクロミズムの試薬
緑色の試薬を前面に持ってくる
フォトクロミズムの試薬
全体的に見せる感じ

撮影スケジュール

 副業としてストックフォトを始める際には、計画的な撮影スケジュールを組んだ方が良いです。スケジュールを立てる際は、まず撮影したいテーマを明確にしましょう。次に、必要な小道具を準備し、撮影日の天候や時間帯を考慮して、その日のプランを組むことが大切です。また、撮影後の編集やアップロード作業にかかる時間も見積もっておくことで、手際よく作業を進められます。計画的なプランニングは、継続的な副業活動の基盤となりますね。

 計画撮影だけでなく、例えば旅行した時にはいつものようにグルメや風景を楽しみながらも、どこかにいい素材はないかと目を光らせて周囲を見渡す癖もつけたいところですね。

複数サイト

 複数のストックフォトサービスに登録して、一枚の写真を数ヵ所で販売する作業は必須です。そうすることで、多くの方に見てもらう機会を作れます。冒頭に記載した通り、私はPIXTA、Adobe Stock、Shutterstockの3ヵ所に登録しています。

で、実際どうなの?

 ストックフォトを本格的にスタートして1年間が経過した頃、3つのストックサイトの売上を合計して、ようやく月間4,000~5,000円になりました。各サイトの登録枚数は2,000枚を超えた感じです。写真ACはやっていません。Adobe StockとShutterstockは米ドルで受け取ります。下表は、1USD=155.8JPYで計算しています。

月間売上と登録枚数
ストックフォトを始めて1年経過した頃の月間売上と累計登録枚数 合計売上:1,485 + 2,477 + 728 = 4,690円

 単純計算で、各サイト5,000枚登録すると月間10,000円の売上になります。初心者の場合は、審査の通過率が50%程度だと思いますので、累計で10,000枚の申請が必要でしょう。毎日30枚を各サイトに申請すれば、1年で達成できる計算です。30枚申請するのに、撮影→編集→タグ付けに3時間かかったとします(初めての方はもっと時間かかります)。これを365日、1年やると1,095時間。これだけかけて、やっと月間10,000円稼げるステージに。そのまま何もせずに安定的に月間10,000円稼げたとして、1年で120,000円。それまでにかけた時間は1,095時間。時給換算すると109円。登録していた時期の売上を加えたとしても、大きくは変わらないでしょう。

 どうですか? 手軽に始められる副業ですが、誰でもできるからこそ収益は少ないです。ストックフォトの猛者は月間数十万円稼ぐわけですが、数年間戦略的に根気よく続けられた人だけが到達できる境地でしょう。しかも今は、AIに欲しいイメージ画像のプロンプトを入力するだけで画像を生成してくれます。著作権の問題があったりして、日本ではまだまだ普及が進んでいませんが、これも時間の問題でしょう。

 なんだかこれから始める方にとって絶望的な話になりましたが、それを知った上で挑戦する分には気楽に続けられるのではないでしょうか。知らずに始めたらすぐに挫折してしまうでしょうから。継続した結果、もしかしたら数年後に大きな副業収入になっているかもしれません。写真が好きで時間があるなら、やらない手はないですよね🤗

熱心にストックフォトのタグ付け作業をする男性
熱心にストックフォトを登録

注意点とモチベーション

著作権や肖像権

 ストックフォト副業を始める際には、著作権や肖像権についての理解が欠かせません。著作権は、写真を撮影した人に与えられる権利です。自分で撮影した写真でなければ販売ができません。一方で、肖像権は写真に写っている人物の権利を守るものであり、他人が写っている写真を無断で使用することは違法になります。人物が含まれる写真を販売する際は、被写体の許可を得た「モデルリリース」を添付することが必須です。人物だけでなく、商標が写っている場合も許可を受けた証である「プロパティリリース」が求められます。法律を遵守することで、トラブルを未然に防ぎ、安全に副業を続けていけます。

モチベーション維持

 モチベーションを保つためには、小さな目標を設定し、達成感を積み重ねることが効果的です。「月に10枚以上アップロードする」や「最初の100円を稼ぐ」などの達成しやすい目標を設定し、段階的に成長を実感することで継続意欲が高まります。

まとめ

ストックフォト副業を成功させるには、以下のポイントが重要です。

  • ストックフォトの基本: ストックフォトはWebや広告用に販売される写真で収益化を図る素材。
  • メリット・デメリット: 趣味を活かせて不労所得の可能性があるが、競争が激しく収益化には時間がかかる。
  • 売れる仕組み: 一度アップロードした写真が長期的に販売され、継続的な収益につながる。
  • 初心者向けポイント: スマホでも始められ、無料で挑戦できるサイトもあるため、気軽に取り組める。
  • ストックフォトサイトの選び方: 日本向けならPIXTAや写真AC、海外向けならAdobe StockやShutterstockがおすすめ。
  • 収益化のコツ: 登録枚数を増やし、適切なタグ付けやマーケティングを行うことで、売上アップにつながる。
  • 著作権・肖像権の注意: 他人が写っている写真は許可が必要で、商標が写る場合はプロパティリリースが求められる。

長期的な視点で計画的に取り組むことで、ストックフォトを副業として成立させることができます。写真が好きな人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

読者のみなさまからのコメント

タイトルとURLをコピーしました